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研修会 『在宅介護における皮膚疾患』 
褥瘡についてケアマネさんにお話させていただきました









演題:在宅介護における皮膚疾患
演者:橋本健治
日時:平成22年 8月26日
場所:菰野町保健福祉センター けやき
主催:三重県介護福祉専門員協会三泗支部

先日、三泗地区(四日市市と菰野町、朝日町、川越町)の介護福祉専門員(ケアマネさん)の研修会講師を務めてきました。

「在宅介護における皮膚疾患」として、褥瘡(床ずれ)と疥癬(ヒゼンダニ)の話を中心に、白癬症(みずむし)、皮膚がんなど色々な内容を話しました。
約40名が出席され、ケアマネさん以外にも地域の薬剤師さん、訪問看護師さんも出席されました。

褥瘡のケアをするのに特に大切なことは、患者さんの生活に関わる人々(家族や訪問看護、施設のスタッフなど)が、褥瘡ができた原因や悪化させないように注意するポイントを共有して対処できることです。 
褥瘡ができるには、以下のような原因が重なっていることが多いのです。

・寝たきりや麻痺のために、痛みに反応できなくなる
・老化や寝たきりになることで、骨が突出してきて皮膚が圧迫されて壊死にな  る。
・車椅子やベッドに座っているときに皮膚のズレが起こる
・全身の状態や栄養状態が悪くなる。
・便や尿などの汚染で、軽いただれが悪化して深い褥瘡になる。

褥瘡をもった患者さんが皮膚科を受診されると、創の処置を行い自宅で使用する塗り薬を処方させていただきます。しかし患者さんがどのような日常生活を送っているかが具体的にわからないと、上記の原因(特にズレや摩擦)に気づかず、なかなか褥瘡は完治しません。

どんな悪化原因があるのか調べるためにも、当院では褥瘡をもった患者さんの往診も必要に応じて行っております。また在宅の患者さんは通所施設を利用していることが多く、その際にズレや摩擦を起こしていることに気づかないこともあります。

当院では、往診したその日のうちに創の状態や処置方法、日常生活で褥瘡の悪化を避ける対策をケアマネさんや訪問看護師さんにファックス等で連絡しています。ケアマネさんからデイサービスやショートステイ先などにファックスを転送してもらうことで、患者さんの生活に関わる多職種のスタッフが褥瘡を治すための情報を共有し協力できるようにしたいと考えています。

全身状態が悪くなったり褥瘡が非常に悪化している場合は、いなべ総合病院や菰野厚生病院の皮膚科医師と連携して、入院をお願いすることもあります。

診察とは別に、ケアマネさんや訪問看護師さんが撮影してきた患部の写真について相談を受けることも多く、患者さんの状態や介護状況について直接相談する以外に、ファックスなどで私にも情報を提供してもらっています。

私だけでなく、あなたに関わる医療介護スタッフが連携してケアさせていただきますので、褥瘡などの治りにくい皮膚の傷や病気になった方も家族の方もご安心ください。

注:通える患者さんは、通院で褥瘡の治療を行っています。その場合も必要に応じてケアマネさんを通じて多施設で連携をとるようにしております。
外来診察に追われて、すべての褥瘡の往診に応えられていないのが現状です。ご理解ご協力をよろしくお願いします。

 

平成22年10月23日更新

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